INKSCAPEで図案を作る (2)

lichine

2008年11月16日 17:02




1.フィル/ストローク画面

べた塗りの画像でもいいですが、グラデーションを使って立体感を出してみます。

前回の(1)で作った図形の塗りつぶしを変えます。
図形をクリックして選択し、右クリックでメニューから、「フィル/ストローク」を選びます。

「フィル」は図形の内部で「ストローク」は図形のふちの部分のことです。
今回はフィルだけ変更します。



ちなみに、上の図形は、前回の「パス」メニューから「交差」でなく、「統合」を選んだときにできる図形です。



ウインドウの右側にフィル/ストロークの画面が表示されます。
環境設定やバージョンによってはポップアップ画面になると思います。
「フィル」タブの「単一色」から「線形グラデーション」に変更します。
図形の塗りつぶしが変わります。

データファイルごとにグラデーションには名前が付けられて保存されています。
「線形グラデーション」を選んだときに、新規にグラデーションが追加されます。

「編集」ボタンを押すと「グラデーションエディタ」の画面が表示されます。


2.グラデーションの変更

「グラデーションエディタ」の最上段の帯が、現在のグラデーションを表しています。
色は「単一色」のときの色で、左端が不透明度100%、右端が0%の状態です。



右端と左端の2フェーズが初期状態で設定されています。
「線形グラデーション」は、この間を水平方向(左右)にグラデーションで補完してくれます。
フェーズのプルダウンをクリックすると2つの不透明度と色がわかります。
グレーのチェックは、背景を表し、チェックが見えるほど透明度が高いことになります。



今回は透明度を使わないで、色だけグラデーションをかけます。

右側のフェーズを選び(プルダウンの下)、グラデーションエディタの不透明度「A」を255(最大)にします。



図形が単一色の塗りに戻ってしまいましたが、2フェーズが同じ色、同じ不透明度になったからです。


3.グラデーションのフェーズ追加

「グラデーションエディタ」の「色フェーズを追加」ボタンを押します。
フェーズのプルダウンを押すと、フェーズが1つ追加され、3つになっています。
その中の、真ん中のフェーズを選びます。



「グラデーションエディタ」の「色フェーズの色」の「L」を変更して、真ん中を明るくします。

フェーズの位置のオフセットは50%のままにします。

「グラデーションエディタ」の最上段の帯が、真ん中が明るくなり、
図形の塗りつぶしも真ん中が明るくなりました。



4.前回の図形作成手順の応用

前回の図形作成手順を応用し、3つの楕円から図形を作ってみます。



欲しい図形を作るときに、どんな組み合わせを選ぶかは、ひとそれぞれ違うと思います。
慣れも必要かも。

「パス」の「交差」で2つの図形の共有部分を新しい図形にしていきます。




この図形も今回のグラデーションをかけます。



この図形を「複製」し、左右反転、最初の図形を90度回転、拡大縮小でバランスを整えて、
オブジェクトの重なりの順番を変えたりすることで、
新しい図案になります。

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